世界で一番わがままな君とガラスの心臓
(綺麗な人……。あんなカメラ持って、何撮ってるんだろう)



私が思わず見とれていると、カメラのレンズがゆっくりとこちらへ向いた。


ファインダー越しに、視線が交差する。


「……あ」


声が漏れると同時に、彼は静かにカメラを首元へ下ろした。


夕陽の光を浴びた瞳が、まばたきをして私を捉える。


「ごめんね、驚かせちゃった?」


低くて、風のように耳に心地いい声。


彼は柔らかく眉を下げて、申し訳なさそうに微笑んだ。


「ううん、大丈夫です! ちょっと綺麗な写真撮ってるなって思って、見ちゃって……」


慌てて手を振る私に、彼はクスッと小さく笑った。
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