世界で一番わがままな君とガラスの心臓
「そっか。ありがと。……君、陸上部? それ、スパイクかな?スラッとして速そうだね」
私が手からぶら下げている、スパイクシューズの入った袋を指す。
不意に投げかけられた言葉に、胸が跳ねた。
気負いのない、けれどすごく自然な褒め言葉。東京の高校生って、こんなにさらっと人を褒めるものなんだろうか。
「あ、はい! 近所の海咲高校で短距離走ってます。橘風花(たちばな ふうか)です」
「風花ちゃん、ね。俺は一之瀬湊(いちのせ みなと)。一之瀬写真館の孫で、東京から夏休みだけ手伝いに来てるんだ。高校三年生」
「一之瀬……湊先輩」
やっぱり、明日の言っていた『写真館のお孫さん』だ。
私が手からぶら下げている、スパイクシューズの入った袋を指す。
不意に投げかけられた言葉に、胸が跳ねた。
気負いのない、けれどすごく自然な褒め言葉。東京の高校生って、こんなにさらっと人を褒めるものなんだろうか。
「あ、はい! 近所の海咲高校で短距離走ってます。橘風花(たちばな ふうか)です」
「風花ちゃん、ね。俺は一之瀬湊(いちのせ みなと)。一之瀬写真館の孫で、東京から夏休みだけ手伝いに来てるんだ。高校三年生」
「一之瀬……湊先輩」
やっぱり、明日の言っていた『写真館のお孫さん』だ。