世界で一番わがままな君とガラスの心臓
明日は目を見開き、信じられないものを見る目で湊先輩を指さした。


「いいじゃん、風が気持ちいいし。それに明日ちゃん、立ちっぱなしだと辛いだろ。座って話したほうが楽じゃない?」


「楽とかそういう問題じゃないわよ! 誰があなたと『お話し』するって言ったの!? 早く出ていってよ!」


キーキーと声を張り上げる明日。


けれど湊先輩は、どこ吹く風といった様子で「はいはい」と適当に頷き、ポケットからハンカチを出して汗を拭いている。


そのやり取りを傍らで見ていた私は、驚きで胸が小さく高鳴っていた。


(すごい……)
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