君が感情をくれたから
 いろんなことがあったが、静海くんと友達になれた、気がする・・・。
 彼が私のことをどう思っているかは分からないけど、嫌ってはないはずだ。
 授業中、隣にいる静海くんのことを見ていると、「僕の顔に何か付いてますか?」と聞かれてしまった。
 彼は、顔が綺麗だった。
 陶器のようになめらかな白い肌に、闇に溶けてしまいそうな綺麗な黒髪。
 ガラス玉みたいに澄んだ、ほんのりと青を帯びた瞳。
 しかし、私にはその目が濁っていて光がないように感じた。
 彼には、人間味がなかった。
 それは、何故なのだろうか・・・?
 「さっきからどうしたんですか?」
 静海くんは、無の顔で質問してくる。
 見てるの、バレてたか・・・。
 「ううん、何でもないよ。ただ、今日が静海くんの初授業だから、少しだけ気になって・・・」
 適当に笑ってごまかすと、彼は何事もなかったかのように前に向き直った。
 不思議な人だ・・・。
 感情が全く顔に出ないし、何を考えているのかよく分からない・・・。
 私とは正反対だ。
 私は、よく友達に「彩葉って、すぐ顔に出るよね~」と言われる。
 静海くんは、表情が全く変わらない。
 自己紹介から授業中まで、全部真顔だ。
 笑ったりしないのかな?
 少し、いや、だいぶ 気になる。
 でも、何をしたら笑ってくれるかなぁ・・・?
 静海くんの好きな物・・・は特にないって言ってたし。
 う~ん。
 私は授業中、悩み続けた。
 この時間が、私の大の苦手な数学だということも忘れて・・・。
 
 
 
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