海から届いたお守り

三者面談、それぞれの未来

高校三年生になり、進路について本格的に考える時期になった。

凪沙は、佐賀関の介護施設について調べながら、卒業後に介護の仕事へ進むための準備をしていた。

樹も、大学へ進学してパソコンやプログラム、鉄の分野を学び、将来は日鉄で正社員として働くことを目指していた。

そして、二人それぞれの三者面談の日がやってきた。



先に行われたのは、凪沙の三者面談だった。

教室には、凪沙と担任の先生、そして竜樹が座っていた。

「凪沙さんは、卒業後は介護の仕事を希望しているんですね」

「はい」

凪沙は緊張しながら頷いた。

「佐賀関の施設で働きたいと思っています」

「高校二年生の頃から、施設についていろいろ調べていたそうですね」

「はい。介護の仕事について調べたり、どんな施設があるのか見たりしてました」

竜樹も隣で頷く。

「家でも、よう調べよったな」

「うん」

先生は資料を確認しながら話した。

「では、希望する施設や、必要な資格について、これから具体的に考えていきましょう」

「はい」

凪沙はしっかり返事をした。

竜樹が凪沙を見る。

「凪沙がやりたいことなら、お父さんも応援するけんな」

「ありがとう、お父さん」

凪沙は少し安心したように笑った。



そして数日後。

今度は樹の三者面談の日だった。

教室には、樹と担任の先生、そして碧が座っていた。

「樹くんは、大学への進学を希望しているんですね」

「はい」

「将来は日鉄で、パソコンやプログラムを使う仕事をしたい、と」

「そうです」

樹は自分の考えていることを、一つずつ先生に話した。

「大学でパソコン関係のことを勉強して、鉄の分野についても学びたいです。それから、日鉄で正社員として働きたいです」

「なるほど」

先生は頷いた。

「高校卒業後すぐに就職するのではなく、大学で専門的に学んでから就職するということですね」

「はい」

碧は隣で静かに樹の話を聞いていた。

「大学卒業後に日鉄を目指すなら、今から大学や学部についてしっかり調べておくといいでしょう」

「分かりました」

樹は頷いた。

先生との話が一段落したところで、碧が口を開く。

「樹、前からお父さんにも相談しよったもんね」

「うん」

「日鉄で働きたいって」

「うん。竜樹さんみたいに、パソコンとか使う仕事がしたい」

碧は微笑んだ。

「自分でちゃんと将来のこと考えちょるんやね」

「うん」

「お母さんも応援するよ」

「ありがとう、お母さん」

面談が終わり、二人は教室を出た。

廊下を歩きながら、碧が樹に聞く。

「大学、どんなところに行きたいか、もう少し調べてみようか」

「うん。お父さんにもまた聞いてみる」

「そうやな」

樹は少し嬉しそうに笑った。

その日の夕方。

いつものように二人が顔を合わせると、凪沙が聞いた。

「樹、三者面談どうやった?」

「大学のこと、もっとちゃんと調べんといけんって言われた」

「私も施設のこと、もっと調べることになった」

「そっか」

二人は顔を見合わせた。

進む道は違っても、二人とも自分の未来に向かって歩き始めていた。

「お互い頑張ろうな」

樹が言う。

「うん」

凪沙も笑った。

高校三年生。

二人にとって、未来を決める大切な一年が始まっていた。
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