愛される星

私の手をぎゅっと握りしめたまま、希幸は思い切って正樹に言った。


「正樹君、希幸ね、正樹君の言う事を信じる。希幸ね、正樹君好きだから!」


「うん。
待ってるから、ちゃんと帰ってきてね!」


「うんっ」


この街には、私達の居場所がある。
希幸も幼いながら、この街に居場所を見つけた。


「モエちゃんと浮気すんなよ!」


少々口が悪いのは親譲りなのかしら。直さなきゃね。


大きなボストンバッグにこの街での生活を詰め込んで、私と希幸は、この街を後にした。



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