ノンデリ男の敗北 ~モテる俺が法学部女子に告白したら「私は好きではありません」と普通に振られた~
帰る時間が近づいて、凛が鞄を持った。
俺も駅まで送るために、上着を羽織った。
玄関で靴を履きながら、凛がこちらを振り向いた。
「今日、話せてよかった。」
「俺も。切り出してくれてありがと。」
「ちょっと緊張した。」
「全然そう見えなかった。」
「夏樹くんがわかりやすすぎるんだよ。」
どうやら俺の緊張は、最初からばれていたらしかった。
ドアを開けると、冷たい空気が入ってきた。
凛がコートの前を合わせるのを待って、俺も外に出た。
引っ越す日は決まらなかった。
住む場所も、何も。
それでも、隣を歩く凛を見て、話す前よりずっと近いところに未来がある気がした。
結婚を考えている。
今日は、その気持ちを伝えた。
いつか、俺のほうからちゃんと尋ねたいことがあった。
そのときは凛が切り出してくれるのを待たずに、自分から言おうと思っていた。