みかん箱

ロングランス

俺は、家に帰ると晩飯を喰らう。
うれしくて、おいしい。
テレビも観ないで、勉強するって言って部屋に戻る。
ベッドに横になったり、立ち上がって歩き回って落ち着かない。
安全地帯を聴いて、ちょっと気取る。

次の日もそわそわが続く。
昼の後の、トシタカとの雑談もハイテンションだ。
ちらりと、川瀬のほうをみる。川瀬も友だちと何か話している。一瞬目があった。

補講が終わると、川瀬が昇降口にいた。
声をかけると、ちょうど帰るところらしい。
俺と川瀬は、また一緒に帰った。
昨日よりは、落ち着いてもやっぱり、ドキドキしてしまう。
俺は、いろいろと話す。川瀬だから、トシタカとの雑談みたいに何でもいえるわけじゃない。
下ネタなんていえない。
話題を必死に考えた。
川瀬は、静かであんまり積極的にしゃべらない。
俺は、ちょっと不安が募る。
嫌われるんじゃないか……。
けど、夜の道で街灯もないから、表情わからなくても、たまにクスッて笑ってくれる。
そのクスッて笑い声を聞く度に、俺は充実した感じになった。

それから、補講が続いて、俺と川瀬は、いつも一緒に帰るようになった。
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