攻略対象の想い人は、ナレ死予定の転生聖女 欠損を肩代わりしたら、なぜか曇った三英雄が執着してくるのですが?
「いつまでもその地位に甘んじていないで、我々を率いてくれないだろうか」
「断る」

 現役の聖騎士団長をたった一振りで負かしたほどの実力を持つ幼馴染は何度も同僚たちから懇願を受けたが、考える暇もなく即答し続けた。

「俺の剣は、エミリエを守るためにある。神殿に力を貸すつもりはない」

 その結果、聖騎士団にすら睨まれる羽目となったのだが――。
 力のない私はこれまで通り、歯を食いしばって耐えるしかない。
 こうして私たちは、10年間神殿で身を寄せ合い続けた。

 地獄のような日々が終わりを告げたのは、私が17歳の時だった。

 魔王討伐隊の一員として、フェドクスが選ばれたのだ。

「フェドクス様! 旅のお供を務めさせていただく、マリラと――」
「エミリエが一緒じゃなければ、行かない」

 当初、治癒役として任命されたのは癒やしの聖女と呼ばれたマリラさんだった。
 しかし、フェドクスは皇帝の前で駄々を捏ねた。

 第二王子のルドルフ、彼の友人でもある若き辺境伯のガザンが、魔王討伐隊のメンバーとしてすでに選抜されているのだ。
 神殿側はどんな手段を講じても、人員を送り込みたいに違いない。
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