攻略対象の想い人は、ナレ死予定の転生聖女 欠損を肩代わりしたら、なぜか曇った三英雄が執着してくるのですが?
「エミリエ。ガザンに、何もされなかった?」
「黙れ」
部屋に向かう途中、廊下で殿下と鉢合わせた。
幼馴染は初めから王族として生まれたルドルフに敬意を払うつもりはなさそうだったが、いくらキレてるからってこの対応はないだろう。
「あとは、お願いします」
「え? ああ、うん……」
私はルドルフにガザンを任せ、隣の部屋に移動した。
フェドクスは己の身体を寝台へ横たえたあと、こちらへ覆い被さってきた。
先ほどとまったく同じ光景が、再現された形だ。
だけど――。
身の危険は、感じない。
それは恐らく、長い間彼と一緒に過ごしてきた時間が影響しているのだろう。
幼馴染は紫色の瞳を潤ませ、こちらをじっと見つめた。
「この状況を目にした時、俺がどんな気持ちになったか……。想像したこともないんだろう」
「ごめんね。心配かけて」
「なぜ、抵抗しない」
「フェドクスは私に、酷いことをしないって知ってるから」
「あの男は、異性に見境なく手をかける! 下種だ……!」
「でも、無事だったでしょ?」
フェドクスはどうしても、私から「ガザンとフェドクスは同じ」だとか、「ガザンは酷い人」だという言葉を引き出したくて溜まらないようだ。
「黙れ」
部屋に向かう途中、廊下で殿下と鉢合わせた。
幼馴染は初めから王族として生まれたルドルフに敬意を払うつもりはなさそうだったが、いくらキレてるからってこの対応はないだろう。
「あとは、お願いします」
「え? ああ、うん……」
私はルドルフにガザンを任せ、隣の部屋に移動した。
フェドクスは己の身体を寝台へ横たえたあと、こちらへ覆い被さってきた。
先ほどとまったく同じ光景が、再現された形だ。
だけど――。
身の危険は、感じない。
それは恐らく、長い間彼と一緒に過ごしてきた時間が影響しているのだろう。
幼馴染は紫色の瞳を潤ませ、こちらをじっと見つめた。
「この状況を目にした時、俺がどんな気持ちになったか……。想像したこともないんだろう」
「ごめんね。心配かけて」
「なぜ、抵抗しない」
「フェドクスは私に、酷いことをしないって知ってるから」
「あの男は、異性に見境なく手をかける! 下種だ……!」
「でも、無事だったでしょ?」
フェドクスはどうしても、私から「ガザンとフェドクスは同じ」だとか、「ガザンは酷い人」だという言葉を引き出したくて溜まらないようだ。