攻略対象の想い人は、ナレ死予定の転生聖女 欠損を肩代わりしたら、なぜか曇った三英雄が執着してくるのですが?
 三度目が起きたら、今度こそ長い時間をともに過ごして得た信頼を失ってしまいそうだった。

 ――でも、それは仕方のないことだ。

 彼らの四肢欠損を阻止するのが、私の役目なのだから……。

「うん」

 両手で彼の背中を抱きしめるはずが、左腕が動かないせいで不格好になってしまった。

 フェドクスは全身から力を抜き、私を押し潰すような勢いで身体へ伸しかかり、抱きしめてくる。
 こうしておけば、絶対に私が抜け出せないとわかっているからなのだろう。

「何があっても、離さない」

 耳元で囁かれた幼馴染の声は、まるで砂糖菓子のように甘い。
 彼がやっとのことで怒りを鎮めた姿を目にして安堵した私は、「ようやくこれで一息つける」と、眠りについた。
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