攻略対象の想い人は、ナレ死予定の転生聖女 欠損を肩代わりしたら、なぜか曇った三英雄が執着してくるのですが?
【1-3】3人目・左足を失うまで
 左側の視界が真っ黒に染まってから、半年ほどが経過した。

 片目だけしか使い物にならない生活に慣れたあと、左腕が使えなくなった。

 この状況に順応するのは、想像していたよりも時間がかかるらしい。

 ――困ったな……。

 まず、ベッドから起き上がるのも一苦労だ。
 今は両足が使えるから、上半身を反らして力を込めて起き上がればいい。

 しかし、私はそう遠くない未来に左足を失うのだ。
 下半身には、頼れない。
 そのため、私は1人で寝台から起き上がる方法を編み出した。
 それは――。

「うん、しょ……」

 まずは左腕を下敷きにし、身体を横たえる。
 そこから右腕の力を使って、起き上がる方法だ。

 ――手が、自分の体重を支えきれずにプルプルと動いている。

 フェドクスにお願いしてダンベルを借り、腕力を鍛えたほうがよさそうだ。

 動けるうちに、体力をつけておかなくちゃ。

 そんなふうに、意識をあらぬ方向へ向けたのがよくなかったのだろう。

「あ……っ!」

 集中力が切れたせいで、右腕が限界を迎えてしまった。
 私はドシンと、無様にベッドへ叩きつけられるはずだったのだが――。
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