攻略対象の想い人は、ナレ死予定の転生聖女 欠損を肩代わりしたら、なぜか曇った三英雄が執着してくるのですが?
 だが――。

 こんな状態で楽しく、行動をともになどできるはずがない。

 ルドルフとガザン。
 私とフェドクス。

 2対2に別れて、不干渉を貫く。
 そうすることで、しばらく衝突を防げてはいたのだが……。
 いつまでも不仲と言うわけにいかない。

 ――どうにかして、フェドクスが2人に心を許せるようになるといいんだけど……。

 男性3人が強制的に行動をともにするイベントと言えば、男湯に浸かってもらうのが一番かもしれない。

「みんなで一緒に、日々の疲れを癒やしてきたら?」
「絶対に嫌だ」

 旅の途中で温泉を見かけ、幼馴染に促す。
 しかし、断固拒否されてしまった。
 どうやら、彼らと心を通わせるまではまだまだ時間がかかりそうだ。

 ――困ったなぁ。

 私は頭を悩ませながら、じこファンで語られた内容を思い出す。

 三英雄たちは全員、表向きエミリエを嫌っていた。
 だから、彼女が魔王討伐の際に命を落とした直後は、誰も悲しんでなどいなかったようだ。
 彼らが「聖女を失ってしまった」と後悔し始めたのは、世間がエミリエの存在を忘れたあとからだったはず――。
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