攻略対象の想い人は、ナレ死予定の転生聖女 欠損を肩代わりしたら、なぜか曇った三英雄が執着してくるのですが?
 歳を重ねるごとに、彼が己に向ける執着心は、日に日に増していた。
 このままでは、ヒロインが姿を見せても恋愛関係に発展できないんじゃないか――。

 そんな危機感に苛まれ、どうにか私に対する気持ちを失わせようと、遠回しに距離を取り続けていた。

 だけど――。
 どうしても、縁を切れなかった。
 離れようとすればするほど、彼が意固地になっていくと気づいたから。

 ――私は、最低な人間だ。
 彼に好かれて、嬉しいと思っている。
 フェドクスと同じくらいの愛を、幼馴染に返すつもりはないくせに――。
 都合のいいように搾取して、お礼とばかりに優しい言葉をかけ、縛りつけている。

「無理しちゃ、駄目だよ。いざという時に、全力を出せなくなっちゃう」
「限界を、突破しなければ……。俺はいつまで経っても、成長できない」
「フェドクスは今だって、充分強いよ」
「まだ、足りないんだ。あいつらを瞬殺できるくらい、強くならないと――不安で、仕方がない……」

 幼い頃から、彼は一貫している。
 いつだって、私から与えられる愛に飢えていた。
 私は彼が渇望している物を知っているのに、あえて見て見ぬふりをしてきた。
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