攻略対象の想い人は、ナレ死予定の転生聖女 欠損を肩代わりしたら、なぜか曇った三英雄が執着してくるのですが?
 そんな矢先に彼らが表れ、自分の存在を無視して交流を深め始めたのだ。
 疎外感を抱くのは、当たり前だった。

「ごめんね」
「どうして、君が謝る」
「全部、私のせいだから」

 こういう時、私ができることは一つしかない。
 誠心誠意謝罪をして、彼の気持ちを落ち着かせる。
 フェドクスの苦しみに寄り添えば、きっといつも通りの関係に戻れるはずだと信じている。

「フェドクスの気持ちを知っているのに、ほかの2人と会話なんかして……。いい気分じゃ、ないよね」
「違う。俺は、エミリエを悲しませたいわけでは……!」
「うん。フェドクスなら、そう言ってくれると思ってた」

 紫色の瞳に、ようやく光が戻って来る。
 焦った様子で声を荒らげたのなら、もう心配はいらない。
 ちょうど髪も乾いたし、濡れた布ははベッドサイドに干しておこう。

 私はフェドクスと向き合い、彼を優しく叱りつけた。
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