攻略対象の想い人は、ナレ死予定の転生聖女 欠損を肩代わりしたら、なぜか曇った三英雄が執着してくるのですが?
「はっは! 力が、漲ってくる……!」

 本来ならば、生まれ持った守護魔法が魂を保護し、魔王が取り憑いても自我を保てるはずだった。
 しかし、特殊能力を失った男は魂までを食い殺されてしまう。

「あが……っ。あががが……!」

 その結果、魂を失った器は、魔王をその身へ下ろす前に壊れ――恐ろしい化物に、姿を変えてしまった。

「ぁ……」

 私はこの光景から、目が離せない。
 なぜならば――幼い頃に、見覚えがあったからだ。

『エミリエ!』

 小さなフェドクスが、私を抱きしめて泣いている。
 彼の周りには大人から子どもまで、大量の物言わぬ躯が倒れ伏していた。

 ――本当は私があの男のように、命を捧げるべきだったのに――。

 それを拒んだせいで、たくさんの命が犠牲になってしまった。

 どれほど謝罪を繰り返したところで、失った命は戻らない。

 だから私はあの子たちの分まで、何がでも生き残ってみせると決めたのだ。
 そうすれば、あの悲しい出来事を、忘れられる気がしたから――。
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