攻略対象の想い人は、ナレ死予定の転生聖女 欠損を肩代わりしたら、なぜか曇った三英雄が執着してくるのですが?
「俺はなぁ! 負けるわけには、いかねぇんだよ……!」

 男が真っ二つに折れた剣を勢いよく足で踏み潰した瞬間、そこから魔物が勢いよく飛び出してきた。

「やっちまえ!」

 それらは一斉にフェドクスへ襲いかかるが、あの程度の魔獣であれば軽々といなせる。
 幼馴染は危なげなく、すべての獣を討伐した。

「うぉおお!」
「フェドクスが、魔物を倒したぞ!」
「新たな英雄の、誕生だ!」

 その様子を目にした観客たちの盛り上がりは、最高潮だ。
 賞賛を受けるフェドクスの姿を目にして、ガザンは露骨に嫌そうな顔をした。

「ありゃ、援護は必要ねぇか?」
「いえ。お2人とも、準備をお願いします」
「そうだね。これは、序の口だ」

 ルドルフがいつでも魔法を放てるように詠唱をし始めた直後、男は最終手段に出る。

「この闘技場の英雄は、あいつじゃねぇ! この俺だ……!」

 ヴィクトリーは己の身体を捧げ、魔王を降臨させるべく動き出したのだ。
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