攻略対象の想い人は、ナレ死予定の転生聖女 欠損を肩代わりしたら、なぜか曇った三英雄が執着してくるのですが?
『たとえ手足がもがれようとも、構わない。俺は君を守る。何があっても、絶対に』

 かつて幼馴染と交わした約束が、脳裏に過ぎる。
 それは一種の、走馬灯みたいなものなのだろう。

 ――今からヴィクトリーに幻惑を見せても、間に合わない……!

 私は死を覚悟し、全身から力を抜いた。

「く……っ!」

 絶体絶命の危機に陥った私を救ってくれたのは、左足をわざと魔物に絡め取らせたあと、戸惑いなく触手ごと一刀両断したフェドクスだった。

 ――やっぱり、こうなるんだ。
 あなたにだけは、傷を追ってほしくなかった。

 なのに――。

 また、見ていることしかできないなんて、あんまりだ。

「ルドルフ! やれ!」

 魔法の発動を躊躇っていたはずの殿下が、有無を言わさぬフェドクスの指示を受けて異形の化け物へ炎を放つ。

「行くよ……!」

 幼馴染は自分たちの安全を確保するため、片足を失っていると一切感じさせないバランス感覚を披露しながら、当然のように私を抱き上げた。
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