攻略対象の想い人は、ナレ死予定の転生聖女 欠損を肩代わりしたら、なぜか曇った三英雄が執着してくるのですが?
「あいつらの力が、必要になる時が来るのか」
「そうだよ。私のためなら、我慢できる?」

 幼馴染は長い熟考の末、ようやく妥協したらしい。
 紫色の瞳を観念したように伏せた。

「人脈が、多いに越したことは……ない……」
「うん。偉いね、フェドクス。いい子は、好きだよ」

 私は飼い主に命じられて「待て」を終えた飼い犬を褒めたたえるかのように、頭部を優しく撫でつけた。

「もっと……」
「褒められるの、好き?」
「ああ……」
「ふふ。かわいい……」

 気持ちよさそうに瞳を細める彼の姿を見ていると、なんだか楽しくなってきた。
 私は穏やかな時間を過ごしたあと、くしゅんとくしゃみをする。

 ――そう言えば、私の着替えを忘れていた。

「出よう」
「そうだね」

 脱衣所へ移動すると、いつの間にか着替えとメモが置かれているのに気づく。
 私はその内容を確認し終え、幼馴染に笑いかけた。
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