攻略対象の想い人は、ナレ死予定の転生聖女 欠損を肩代わりしたら、なぜか曇った三英雄が執着してくるのですが?
 彼女の悲しみは原作で語られていたが、言葉では言い表しきれないほどに深い傷となっている様子が見受けられる。
 そんな姉が、妹の生きている姿を目にしたら、どんな行動を取るか――。

 それは容易に、想像がつく。

 三英雄の動向、神殿、ヒロイン。
 身体が不自由な状態で気にするべきターゲットが山程いるなど、キャパオーバーもいいところだ。
 流星群が見られてよかったという喜びなど吹き飛ぶくらい、気分が落ち込んだ。

「なんだよ、その顔は。兄弟と、死別でもしたのか?」
「いえ……。そういうわけでは、ないのですが……」

 実は敵国の王家に生き別れの姉がいますなんて打ち明けたら、大騒ぎになるのは間違いない。
 下手をしたら、平民として暮らしているフェドクスとも一緒にいられなくなってしまう。

 ――無事に王都へ戻れば、三英雄は英雄伯を国王から賜る。

 じこファンの流れ通りなら、フェドクスも家名を名乗れるようになるのだ。

 少なくともそれまでは、秘密を暴露するべきではない。

 そう考えて言葉を濁したところ、思いがけない提案を受けて固まった。
< 217 / 243 >

この作品をシェア

pagetop