攻略対象の想い人は、ナレ死予定の転生聖女 欠損を肩代わりしたら、なぜか曇った三英雄が執着してくるのですが?
 その姿をじっと見つめていると、殿下の微笑みが深まった。

「身の程を、弁えるべきだよね。エミリエは救済の聖女であり――僕達三英雄の、最愛なんだから」

 どうやら、「ガザンだけずるい」と言いたいようだ。
 こちらの興味を引くためにひらひらと手を振られたため、曖昧に微笑んでおく。

「こりゃ、祝賀会も呑気に飲み食いしてる場合じゃねぇな」
「ああ。間違いなく、接触してくるはずだ」

 フェドクスは口でこそ冷静に声を発しているが、私に対する独占欲を完全には隠しきれていないようだ。
 己を抱きしめる力を強めながら、彼が何を考えているのかは、容易に想像がつく。

「司祭と、癒やしの聖女か……」
「そういや、俺たちが旅に出る前から有名だったよな」

 魔王討伐を終えた私たちが、次に倒すべき敵の姿を思い浮かべていたのだ。
 幼馴染は彼らの名前すら聞きたくないと言わんばかりに、吐き捨てた。

「ただの、性悪女だ」
「あんたがこんなにも嫌悪してるってことは……当然、オレたちの、敵なんだよな?」

 ガザンの問いかけに、フェドクスはコクリと頷く。

 ――成長したな……。
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