攻略対象の想い人は、ナレ死予定の転生聖女 欠損を肩代わりしたら、なぜか曇った三英雄が執着してくるのですが?
 じこファンをプレイした記憶がなければ、今頃「殺されるんじゃないか」と戦々恐々としていただろう。

 ――こうして冷静でいられるのは、前世の記憶のおかげだ。

 原作知識がなかったら、私は今以上に自己肯定感の低い状態では生きていたに違いない。

「祝いの場であんなトラブルを起こすような人間がうようよいる場所へ、エミリエは帰せないよ」
「同感。とっとと、黙らせようぜ」

 三英雄たちは、「自分たちの大切なものを害するものはすべて始末する」という、正義の味方とは思えぬ過激な思想に染まっている。
 そんな彼らを止められるのは、私しかいなかった。

「私は、反対です」

 確かに、マリラさんは私からしてみれば悪人だ。
 正直、好きにはなれそうにない。
 だけど――。
 彼女を敬愛する国民たちが、同じ気持ちとは限らない。
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