攻略対象の想い人は、ナレ死予定の転生聖女 欠損を肩代わりしたら、なぜか曇った三英雄が執着してくるのですが?
「彼女は、私がみなさんと旅をしている間――人々の傷を癒やし、国民達の信頼を勝ち取りました。あの子を悪者呼ばわりしたら、民の反発が起こるかもしれません……」
「また、自分だけが犠牲になればいいとでも思ってんじゃねぇだろうな?」
「そのほうが、被害は最小限で済みますから」

 私が我慢すれば、すべて丸く収まるとわかっているのに、なぜ他の方法を選び取らなければならないのだろう?

 それが理解できずに自らの意思を伝えたところ、何か言いたげな視線を向けるガザンよりも先に、ルドルフが口を開く。

「君は、命を狙われているんだよ」
「わかっています」
「うんん。その自覚が足りないかな。今回は僕たちが一緒にいたから、危険な目に遭わずに済んだ。でも……1人になったら?」

 殿下は左半分が不自由になってしまった私を、心配しているのだ。
 だからこそ、こうして厳しい言葉を投げかけてくる。

 ――これまでの自分は、暴力に抗えなかった。

 フェドクスが迎えに来てくれるまで、黙って耐えるしかなかったけれど――。
 今は、違う。
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