攻略対象の想い人は、ナレ死予定の転生聖女 欠損を肩代わりしたら、なぜか曇った三英雄が執着してくるのですが?
「疲れた……」
「だったら、俺が代わってやるよ」
「わ……っ」

 そんな彼の姿を目にした辺境伯は、これ幸いとばかりに私を抱き上げた。

「ほら。ここに来てから、まともに食事すら取ってねぇだろ。思う存分、身体を休めて来いよ」

 幼馴染はもう、私を奪い返す元気もないようだ。
 ガザンから食事を促され、オロオロと視線をさまよわせ始めた。

 ――そんな姿を見てしまったら、背中を押さずにはいられないよね。

「お言葉に、甘えたら? 今まで付き合わせて、ごめんね」
「エミリエ……」
「美味しいご飯、たくさん食べてきて!」

 フェドクスは渋々私から身体を離し、ふらふらと覚束ない足取りで、たくさんの料理が並べられたテーブルを目指した。

「2人きりで、話したいことでもありました?」

 先程幼馴染に向かって室内へ戻るよう促したのは、かなり強引に思えてならない。
 念の為問いかけて見たのだが、どうやら大した理由はなかったようだ。
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