攻略対象の想い人は、ナレ死予定の転生聖女 欠損を肩代わりしたら、なぜか曇った三英雄が執着してくるのですが?
「邪魔を、するな」
「おお、怖ぇ~。オレたちは、エミリエを守護する仲間だってのに……」

 フェドクスとガザンは、目を合わせてバチバチと火花を散らす。

 ――このまま戦いに発展したら、どうしよう。

 オロオロと視線をさまよわせて困っていると、そんなこちらの姿を目にした辺境伯が、意外な提案をした。

「あいつ。聖女なんて呼ばれる器じゃねぇな。オレが、籠絡してきてやろうか?」
「ガザンが、身体を張る必要はありません」
「ほんと、頑固だよなぁ。もっと、肩の力を抜いて生きようぜ?」
「触るな」

 ガザンの右手が、私の方へと伸びてくる。
 マリラさんとの言い争いを終えたばかりのフェドクスは、苛立っているところだ。
 こちらへ触れ合うことをよしとするはずもなく、辺境伯の手を引っ叩いた。

「そう、カリカリすんなって。エミリエが心配してんぞ?」

 普通だったらここで、険悪な雰囲気になってもおかしくない。
 しかし、何事もなかったかのりょうに両手を上げて「危害を加えるつもりはなかった」と主張するあたりが彼らしい。

 フェドクスは次々とやってくる私を加害する敵と交戦し、疲労の色を隠せずにため息を溢す。
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