攻略対象の想い人は、ナレ死予定の転生聖女 欠損を肩代わりしたら、なぜか曇った三英雄が執着してくるのですが?
「周りに愛嬌を振りまくのは、オレとルドルフがやる。あんたとフェドクスは、仏頂面で棒立ちしとけ」
「本当に、いいのですか?」
「救済の聖女は、癒やしの聖女によく似て、清らかな心を持つ人だ――だとか、比べられたくねぇだろ?」

 フェドクス以外にも、気張らずに接せる人が増えたような気がして、心が軽くなるのを感じる。

「着飾らず、ありのままを見せるあんたを馬鹿にするような輩は、オレたちが全員ぶっ潰してやる」
「ありがとう、ございます……」
「どういたしまして」

 心の底からの笑みを浮かべて和んだところで、ガザンはガサゴソと懐から拳銃を取り出し、こちらへ差し出してきた。

 ――彼は一体、ここをどこだと思っているんだろう。

 貴族が集まる夜会で銃を取り出すなんて、反逆を疑われる可能性がかなり高い。
 それに――これまで一度も扱ったことのない武器を渡されたって、使いこなせるはずがなかった。

 私は慌てて、断固拒否する。
< 265 / 275 >

この作品をシェア

pagetop