攻略対象の想い人は、ナレ死予定の転生聖女 欠損を肩代わりしたら、なぜか曇った三英雄が執着してくるのですが?
「これまで君の言う通りにしてきた、褒美が欲しい」

 ――ほら、やっぱり。
 案の定、フェドクスは交換条件を提示してきた。

 まるで相思相愛の恋人みたいに、私の身体へベタベタと引っつくのは、彼にとっては車にガソリンを補給するようなものなのだ。
 これを拒んでしまったら、大事な時にガス欠を起こして使い物にならなくなってしまう。

「仕方ないなぁ。フェドクスは、小さい頃からずっと甘えん坊さんなんだから……」

 ――明日からはまた、旅が始まる。

 ルドルフの未来視はその過程で、再び炸裂するだろう。
 攻略対象たちも魔王の手下を討伐するため、思い思いに武器を手に取り、気の抜けない生活が始まるはずだ。

 久しぶりの休息が、私の左目を犠牲にして得られるなんて、フェドクスも想像できなかったのだろう。
 だから、こんなにも動揺している。

 ――暖かいなぁ……。

 私は彼の温もりを堪能しつつ、微睡む意識に身を委ねたい気持ちでいっぱいになりながらぐっと堪える。
 話はまだ、終わっていないからだ。
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