攻略対象の想い人は、ナレ死予定の転生聖女 欠損を肩代わりしたら、なぜか曇った三英雄が執着してくるのですが?
 じこファンでは殿下も、エミリエに対して並々ならぬ想いを抱いていたうちの1人だ。
 作中ではこうして、彼女のことを思って涙で枕を濡らしていた。
 そんな彼の姿を偶然目にしたことで、ヒロインとの関係が花開くのだ。

「謝って許してもらえるなんて、思っていない。だから……!」

 なんの前触れもなく絶叫し始めた殿の主張には、聞き覚えがある。
 これはエミリエが生きているうちに伝えたかった言葉の1つだ。

「僕もフェドクスのように、君を守りたいんだ……!」

 誠心誠意謝罪をして、フェドクスのように信頼されたい。
 それはじこファンでは、生涯叶えられぬ夢として消えたが――。
 私はまだ、生きている。

 左目を肩代わりしたことによって、取り返しがつかなくなる前に気持ちを伝えるべきだと考えたのかもしれない。
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