攻略対象の想い人は、ナレ死予定の転生聖女 欠損を肩代わりしたら、なぜか曇った三英雄が執着してくるのですが?
「エミリエを、悪く言うな!」
「はぁ……?」

 私を庇うために声を荒らげるルドルフと、長い間過ごしてきたのは自分のはずなのに、これまで虐げてきた聖女の肩を持つ親友の姿に納得ができないガザン。
 突如始まった険悪な関係は、辺境伯が私に気を許せるようになるまで続くだろう。

「意味わかんねぇ。どうかしてるぜ。あんたも、そいつも……」

 ガザンは納得がいかない様子で、ガシガシと己の頭を掻き回す。
 そんな親友の姿を目にするのも嫌とでも言わんばかりに視線を反らしたルドルフは、露骨に私への態度を変えた理由を口にした。

「僕はエミリエがいなければ、未来視の力を失い、兄上のスペアとしての役割から外されていただろう」

 殿下はゆっくりと立ち上がると、私の前まで歩みを進める。
 その後、身につけた衣服が汚れるのも厭わずにその場へ膝をつくと、こちらへ手を差し出してきた。

「君が守ってくれたこの力を使って、行く手を阻む敵は、全員僕が見つけてあげる」

 フェドクスは「エミリエに触れたら殺す」と言わんばかりに、憎しみ籠もった視線を彼に向けている。
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