攻略対象の想い人は、ナレ死予定の転生聖女 欠損を肩代わりしたら、なぜか曇った三英雄が執着してくるのですが?
「構いません」
「エミリエ……?」
「私は治癒魔法すら満足に使えない、役立たずです」
「そんなこと……!」
「みなさんの役に立てるのであれば、それがたとえどんなことであろうとも――本望です」

 死ぬ覚悟は、まだできてはいないけれど――。
 攻略対象のためなら、命以外は差し出せる。
 寿命が縮むくらいであれは、屁でもなかった。

 だが、こちらの主張は彼にとっては到底受け入れがたいものであったらしい。
 銀と銅のオッドアイを切なげに揺らがせ、苦しげな表情をしているのが印象的だった。

「僕は君に、これ以上自分を犠牲にしてほしくないんだ」
「たとえ殿下のお願いであろうとも、その命令は聞けません」

 私に入れ込んでいるフェドクスと同じことを言うなんて、重症にも程がある。
 いくらメインヒーローだからという理由があったとしても、ちょろすぎるのではないだろうか?
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