攻略対象の想い人は、ナレ死予定の転生聖女 欠損を肩代わりしたら、なぜか曇った三英雄が執着してくるのですが?
 ――私がリジェンタス王国のハルル村へ身を寄せることになったのは、7歳の時だ。

「今日から私たちが、あなたのお父さんとお母さんよ」

 口元だけに笑みを浮かべる大人たちの目が笑っていない理由は、幼い自分にもすぐに理解できた。
 彼らは魔に魅入られた、悪魔なのだ。

 神の名の下に、好き勝手暴れ回る獣。
 私を立派な聖女に育て上げるため、殴る蹴るの暴行だけではなく、さまざまな実験を行った。

「私たちが、手塩にかけて育てたのよ! 無能なんて、呼ばせないわ!」
「なんとしてでも、異能を目覚めさせるのだ……!」

 魔獣の生き血を、体内に注ぎ込まれる。
 ――異能は開花しなかった。

 魔力が駄目なら、信力ならばどうだろうかと、今度は神獣の体液を摂取させられた。
 ――体調不良に陥り、一日中吐き気に見舞われた。

 それが覚醒の合図だと大喜びしていた育ての両親たちは、すぐに落胆する。

 ああでもない、こうでもないと永遠に続く人体実験。
 文句も言わずにそれを耐え忍び続けていられたのは、隣に済む1つ年上のフェドクスが、私の痛みに寄り添ってくれたからだった。
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