攻略対象の想い人は、ナレ死予定の転生聖女 欠損を肩代わりしたら、なぜか曇った三英雄が執着してくるのですが?
「私はあなたにとって、吐き気を催すほどの汚物です。一夜をともにしたいなど、思うはずがないのでは?」
「そりゃ、過去の話だ。オレの傷を肩代わりしたあんたを――今まで通り嫌悪するなんざ、出来っこねぇ」

 だが、どうやらこちらの反応は彼のお気に召さなかったらしい。
 グレーの瞳を悲しげに潤ませ、自虐的な笑みを浮かべたガザンは、本音を吐露し始めた。

「ルドルフと同じ立場になって、よくわかった。目の前で一生治らない痛みをか弱い小娘に肩代わりされるってのは、精神的にかなりクる」
「淑女と一夜をともにするよりも、ですか」
「そっちの意味をお望みなら、今すぐにでも天国へ連れて行ってやるぜ?」
「遠慮しておきます。私は一応、聖女ですから」

 攻略対象たちからこんなふうに誘いを受けるなんて、転生したのが私以外のプレイヤーでなければ大喜びしていたところだろう。
 しかし、フェドクスの異常なまでの執着愛を認識している手前、軽々しく深い関係を結ぶ気にはなれなかった。

 あとで強烈なしっぺ返しを食らって、後悔する羽目にだけは、なりたくないから……。
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