転生聖女の労働環境改革〜処刑まで残り180日。ブラック教会をホワイト化して生存ルートを勝ち取ります。監視役の騎士様がいつの間にか私にだけ過保護な最強の番犬に!
後日。王宮の謁見の間にて。
「……そなたの行いは民の信を集め、教会の腐敗を浮かび上がらせた。もはや、聖女という存在を一介の象徴として扱うことはできまい」
王の声は落ち着きながらも、重みを持って響く。
「よって、本日より『聖務顧問官』の任を授けよう。王政と教会の間に立ち、神意を問い、民を導く特別職として」
「……顧問官!? あの、私、まだ教会の人事制度の整備も途中なんですけど!」
「そこは引き続き任せる。兼務だ」
「えっ!?」
(宗教法人の立て直しと国家公務員の兼務って、過労死ルート一直線のブラック労働じゃない!)
絶望する理央の顔を見て、傍らのジークが珍しく噴き出し、王太子は苦笑を浮かべる。
だが、王の宣言は国内に即日布告され、理央は半ば強制的に王命付きの『公職聖女』となったのだった。
「そして未成年である聖女リオ・アリミヌエの『法廷後見人』として、オベールレヒト侯爵を新たに任命する」
名を呼ばれ、ジークの歳を倍にしたくらいの美壮年の男性が、優雅な仕草で礼を取る。
「あわせてオベールレヒト侯爵には、新たに創設された『聖務庁長官』を任命す」
「謹んで拝受いたします」
「ジークのお父さん!? 似てる……ジークよりずっと優しそうだけど」
思わず小声で漏らし、周囲の視線を集めてしまった理央は、慌てた様子で口元を両手で覆った。