転生聖女の労働環境改革〜処刑まで残り180日。ブラック教会をホワイト化して生存ルートを勝ち取ります。監視役の騎士様がいつの間にか私にだけ過保護な最強の番犬に!
一方、教会では粛清が密かに始まっていた。
「アリクス神官、先日の祈祷代読と、偽文書提出の件で調査命令が下りました」
「な……何を馬鹿な!」
「すでに筆跡鑑定と証拠記録が王家から提出されております。……教皇代理の命により、本日付で停職となります」
次々と名指しされる上級神官たち。
あの日運よく失神していたカティスは心神喪失とされ、即日休職の扱いとなった。
王都の外れにある別邸で静かに目を伏せ、彼は胸の内で怨嗟を紡ぐ。
彼の心の視線の先には、空席となった主祭壇の椅子。
教会の権威が揺らいでいる今こそ、反撃の時なのではないだろうか。
カティスはムールブルク侯爵家の分家筋出身である。
後見人のムールブルク侯爵が粛清されたという話は未だに聞かない。
だがしかし、彼の野心は早くも潰えた。
親聖女派の勢力によって教会の中央構造は一気に塗り替えられ、そこにカティスの居場所は無い。
アリシアに送った密書も、悉く未開封のまま返送されてきていた。