転生聖女の労働環境改革〜処刑まで残り180日。ブラック教会をホワイト化して生存ルートを勝ち取ります。監視役の騎士様がいつの間にか私にだけ過保護な最強の番犬に!
視界の端に映ったのは、金糸のように滑らかな長い髪。
それは、彼女が知る自分の姿ではない。
長年、企業の企画部に務め、無駄と非効率を忌み嫌いながら社内社外の人間関係を律してきた原田理央。
彼女の髪はいつも簡素にまとめられた黒の一つ結びで、決してこのような幻想的な金色ではなかった。
瞬間的にベッドから跳ね起きると、理央は衝動に駆られて鏡の前に駆け寄った。そこに映し出されたのは――
「……金髪碧眼の、美少女……?」
金色に波打つ髪、透き通るような白い肌、均衡の取れた完璧な顔立ち。
そして何よりも、自身の記憶にある年齢よりも遥かに若い容貌である。
「これは、だれ」
鏡像の少女は、理央が口を開くたびに微かに眉を動かす。
間違いなく、自身の姿であった。
どうやら、不可解な現象が、現在進行形で起こっている。
現実味のない状況に、言葉を失うも、混乱に沈む暇は与えられなかった。
「――いつまで夢現でいるつもりだ、聖女殿」