転生聖女の労働環境改革〜処刑まで残り180日。ブラック教会をホワイト化して生存ルートを勝ち取ります。監視役の騎士様がいつの間にか私にだけ過保護な最強の番犬に!
「こちらを……ご覧ください」
アスランが低い声で文書を差し出すと、ジークは無言でそれを受け取った。
文面を一瞥し、彼はわずかに目を細める。
「──出所は?」
「不明。文書は僕の祈祷机に置かれていました。鍵のかかった部屋の中に、です」
ジークは眉を寄せた。
それが意味するのは、内部者の存在だ。
「教会の内部に、真実を知りたい者が存在している。――我々以外にも」
遅れて付け足された『我々』という言葉に、アスランは一瞬だけ瞠目した。
つまり、この監視役である近衛騎士は、自分やセイラ達に近しい考えを持っているという事なのだろうか。
「それでは、我々はこれから、どうすれば良いと思われますか?」
「茶番を演じる」
ジークははっきりと言った。
「奴らが聖女の正体に疑念を持っていると仮定して、先に、望む形の聖女、を見せつければいい。つまり──仮面を被ったまま踊らせる」
「……上級神官達の言うよう、静かに祈祷し、国家と民の安寧を祈らせるということですか?」
「いや……もっと異物らしくさせる」
「…………といいますと?」