転生聖女の労働環境改革〜処刑まで残り180日。ブラック教会をホワイト化して生存ルートを勝ち取ります。監視役の騎士様がいつの間にか私にだけ過保護な最強の番犬に!

 と、意気込んだ刹那。
 ぷしゅっと空気が抜けたかのように膝から崩れ落ちる。
 気持ちが前のめりでも、体力がついてこないのだ。このぽんこつな身体。
 前任者には申し訳ないが、あまりにも虚弱脆弱である。

 聖女とされる存在は、肉を口にするのは不浄とされているらしく、日に二度出される食事は炭水化物と果実で構成されている。
 筋肉量を増やし体力をつけたいのにも関わらず、肉魚類は却下されていた。

 食事を強制的に制限させ、体力を奪う。

 それもまたこの聖女という檻に閉じ込めておくためなのではないだろうか。
 実際歴代の聖女たちは、聖なる裁きなる裁定の日を迎える前に、その殆どが事故死や病死やらで亡くなっている。
 他者や俗世との関りを強制的に断たせ、粗末な食事を与えていれば、不健康で思考が胡乱になる人間を意のままに創り上げるのはそう難しい事ではないだろう。

 だがしかし、ベッドから身を起こした理央の瞳は、獲物を捕らえる猛禽類のように鋭く輝いた。

 まずは、現状把握。
 そして、問題点の洗い出し。

 前世でプロジェクトリーダーとして鳴らした彼女にとって、これはまさに得意分野だった。

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