禁忌の花 〜最強になったらイケメン寄ってきた〜
「だいたい、そんなの知ってどうするの?」
本を閉じながら尋ねると、ルカは待ってましたと言わんばかりに目を輝かせた。
「そんなの決まってるじゃん!」
胸を張る。
「オレが強くなって、アビスを全部ぶっ倒すんだ!」
……出た、アホ発言。ルカの得意技、根拠のない自信。
「……仮にアビスが本当にいたとしても、私たちが勝てるわけないでしょ」
「そんなのやってみなきゃ分かんないじゃん!!」
「分かるよ。その本にも書いてあるでしょ?」
私はルカの手元を指差した。
「アビスは普通の人間より、五倍以上も強いんだって」
「だったら、六倍強くなればいいじゃん」
「……」
「簡単でしょ?」
「どこが?」
思わず笑ってしまった。
本当に、この子は馬鹿だ。
でも、そんな馬鹿みたいな夢を、本気で語るルカを見るのは嫌いじゃなかった。
むしろ___少しだけ羨ましいと思う。
私は昔から、夢を見るのが苦手だった。
どうせ無理。危ないながらやめよう。失敗したらどうする?そんな事ばかり考えてしまう。
だから、ルカみたいに何も疑わずに『できる』と言えることが、少しだけ眩しく見えた。
「……アイリは?」
「なに?」
「アイリは、強くなりたくないの?」
不意にそう聞かれて、私は言葉に詰まった。
強くなりたい。その気持ちは、確かにあった。
でも___
「私は……」
何となく空を見上げる。木々の隙間から見える青空は、どこまでも穏やかだった。
「強くなるなら、誰かを倒すためじゃなくていいかな」
「じゃあ、なんのため?」
「……さあ?」
まだ七歳の私には、その答えが分からなかった。
ただ、大切なものを、失わないくらいの力があればいい。その程度にしか、考えていなかった。
本を閉じながら尋ねると、ルカは待ってましたと言わんばかりに目を輝かせた。
「そんなの決まってるじゃん!」
胸を張る。
「オレが強くなって、アビスを全部ぶっ倒すんだ!」
……出た、アホ発言。ルカの得意技、根拠のない自信。
「……仮にアビスが本当にいたとしても、私たちが勝てるわけないでしょ」
「そんなのやってみなきゃ分かんないじゃん!!」
「分かるよ。その本にも書いてあるでしょ?」
私はルカの手元を指差した。
「アビスは普通の人間より、五倍以上も強いんだって」
「だったら、六倍強くなればいいじゃん」
「……」
「簡単でしょ?」
「どこが?」
思わず笑ってしまった。
本当に、この子は馬鹿だ。
でも、そんな馬鹿みたいな夢を、本気で語るルカを見るのは嫌いじゃなかった。
むしろ___少しだけ羨ましいと思う。
私は昔から、夢を見るのが苦手だった。
どうせ無理。危ないながらやめよう。失敗したらどうする?そんな事ばかり考えてしまう。
だから、ルカみたいに何も疑わずに『できる』と言えることが、少しだけ眩しく見えた。
「……アイリは?」
「なに?」
「アイリは、強くなりたくないの?」
不意にそう聞かれて、私は言葉に詰まった。
強くなりたい。その気持ちは、確かにあった。
でも___
「私は……」
何となく空を見上げる。木々の隙間から見える青空は、どこまでも穏やかだった。
「強くなるなら、誰かを倒すためじゃなくていいかな」
「じゃあ、なんのため?」
「……さあ?」
まだ七歳の私には、その答えが分からなかった。
ただ、大切なものを、失わないくらいの力があればいい。その程度にしか、考えていなかった。