図書室の恋だより〜君とこの先もページをめくりたい〜
――落ちた。
「おー!」
ギャラリーから歓声が上がる。
汐留くんに拍手を送っている。
「すごい‥‥‥」
私も思わず拍手を送った。
どうして汐留くんの周りに人が集まるのか、分かる気がする。
きっとみんな、どうしようもなく。
汐留くんから目が離せなくなるんだ‥‥‥。
「にいちゃん、やるなー」
店のおじさんが言葉と裏腹に、少し苦い笑みを浮かべた。
祭り開始早々、難しい景品を二つも取られてしまったからかもしれない。
おじさんがくまを汐留くんに渡した。
汐留くんが頭を下げる。
くま、よっぽど欲しかったんだろうな。
自分用かな。家族へのお土産かな。
それとも……。
私が知らない誰か、なのかな。
さっきまで応援していたのに、急に、いたたまれない気持ちになって、汐留くんから視線を外した。
私、やっぱり少し……変だ。