図書室の恋だより〜君とこの先もページをめくりたい〜
周りを見渡すと、いつの間にかギャラリーが集まっていた。
みんな、汐留くんを応援している。
さ、さすが汐留くん。
自然と人を引き寄せる。
みんなの声につられて、私も思わず、
「が、頑張って!」
と声をかけてしまった。
汐留くんの動きがぴたっと止まった。
ゆっくりと振り向き、私と目が合うと、ふっと表情を和らげる。
「うん」
えっ‥‥‥。
心臓がドクンと跳ねる。
うんって‥‥‥。
これは、私に言ってる、よね‥‥‥。
たくさんの人が応援しているのに、気づいてくれた。
--「西本さんの声は分かるよ」
バスケの試合のあと、汐留くんが言った言葉を思い出す。
本当に分かるんだ‥‥‥。
頬が熱くなる。
汐留くんが、再び銃を構える。
最後の一発。
引き金を引く。
玉がくまの胴体に当たった。
私は息を呑む。
くまは前後に揺れ、やがてぐらっと傾く。