図書室の恋だより〜君とこの先もページをめくりたい〜

周りを見渡すと、いつの間にかギャラリーが集まっていた。


みんな、汐留くんを応援している。


さ、さすが汐留くん。


自然と人を引き寄せる。


みんなの声につられて、私も思わず、


「が、頑張って!」


と声をかけてしまった。



汐留くんの動きがぴたっと止まった。



ゆっくりと振り向き、私と目が合うと、ふっと表情を和らげる。



「うん」

 

えっ‥‥‥。



心臓がドクンと跳ねる。



うんって‥‥‥。



これは、私に言ってる、よね‥‥‥。



たくさんの人が応援しているのに、気づいてくれた。


--「西本さんの声は分かるよ」


バスケの試合のあと、汐留くんが言った言葉を思い出す。


本当に分かるんだ‥‥‥。


頬が熱くなる。


汐留くんが、再び銃を構える。


最後の一発。


引き金を引く。


玉がくまの胴体に当たった。


私は息を呑む。


くまは前後に揺れ、やがてぐらっと傾く。

< 116 / 117 >

この作品をシェア

pagetop