君の歌声に恋をした。天才作曲家と無自覚天然少女。
スタッフが電話の向こうで笑った。
『じゃあ名前だけ聞いてください。美梨花澪さん』
小海の手が止まった。
「……」
『知ってます?』
「……知らない」
嘘だった。
正確には、名前は知らなかった。
けれど。
その声なら。
最近、動画投稿サイトで一度聴いたことがある。
小海はスマートフォンを操作し、検索欄にその名前を入力した。
検索結果の一番上に出てきた動画を開く。
そして、再生した。