君の歌声に恋をした。天才作曲家と無自覚天然少女。
「手作り?」
「……そうです」
「嬉しい」
その一言だけで、澪は頑張った甲斐があったと思った。
そして。
ホワイトデー。
小海から渡されたのは、小さな箱だった。
「これ」
「……?」
澪が開ける。
中には可愛らしい華奢なネックレスと、短いメッセージカード。
『ありがとう。これからもよろしく 小海』
澪はカードを何度も読み返した。
「……小海さん」
「何?」
「大事にします」
「ネックレス?」それもたいせつにします!けど...カードもです」
「そっち?」
「だって……」
澪は嬉しそうに笑った。
「小海さんからもらったものだから」
小海は少し照れたように視線を逸らす。
「……そう」
二人の間に、春の柔らかな風が吹いた。