屋敷を守るための契約結婚だったのに、気づけば冷徹社長に囲い込まれていました

「家事、できないんじゃなかったんですか?」
「できないんじゃない。時間がなかっただけだ」

 社長はコーヒーを一口飲み、それから少しだけ眉を上げた。

「冷蔵庫の中の食材は勝手に使った。必要なものがあれば帰りに買ってくるから言え」

 あまりにも当然のように言われ、私は返事も忘れて社長の顔を見つめていた。
 けれど本人は私の視線など気にする様子もなく、落ち着いた表情で朝食を食べ始めている。

 なんだろう。何かがおかしい。
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