屋敷を守るための契約結婚だったのに、気づけば冷徹社長に囲い込まれていました
その言葉の意味を理解した瞬間、私の顔は一気に熱くなり、慌てて視線を泳がせながら小さく頷いた。
「あ……あの……はい」
しどろもどろになりながら返事をすると、清正さんはそんな私の反応が可笑しかったのか、肩を揺らして笑う。
そもそも、結婚式まで清正さんは仕事で忙しく、ようやく時間が取れそうだと思ったら私の体調の都合が重なったりして、こうして二人きりでゆっくり過ごせる夜を迎えるのは初めてだった。
そして何より、私自身にとってもすべてが初めてなのだ。
「あの……私、こればかりはうまくできるかはわかりませんよ?」
思わずそんなふうに口にすると、清正さんは呆れたように眉を上げた。
「なんで主導しようとしてるんだ。そこは俺の役目だろう」
「あ……そういえばそういうものですかね?」
「まったく」
「でもほら、清正さんに好きになってほしいってずっと思っていたから、その癖がまだ抜けていないのかもしれません。今は前よりもっともっと、好きになってほしいと思ってますし」
契約結婚から始まった関係だったからこそ、どうすれば振り向いてもらえるのかばかり考えていた日々が自然と思い出されて、私は少し照れながらそう打ち明けた。
清正さんは優しく額にキスを落とす。
「もう十分好きだよ」
真っ直ぐに向けられた言葉に、視線に、私は思わず笑みをこぼした。