屋敷を守るための契約結婚だったのに、気づけば冷徹社長に囲い込まれていました

 即答した瞬間、社長は数秒だけ黙り込んだ。
 そしてじっと私を見つめる。

「とにかく君は、契約結婚は一生続けるものではないという認識なんだな」
「はい……。私だってそうですが、社長だって、普通の結婚相手ができて契約終了となった方がいいと思っています。いくら人を好きになれないからって、契約結婚だなんて不健全ですよ」

 ここは素直に意見を伝えておこう。
 彼は少し考えたそぶりをし、口を開いた。

「……なら、契約の終了条件をつけよう」
「終了条件?」

「この契約は物理的利益を中心とした契約だろう。俺に精神的利益が発生した場合、その時点で本契約は終了とすればいい」
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