屋敷を守るための契約結婚だったのに、気づけば冷徹社長に囲い込まれていました

「……え?」

 意味が分からず、私はぱちぱちと瞬きを繰り返した。
 そんな私を見ながら、社長は相変わらず真顔のまま続ける。

「仮にも朝霧不動産総務部の人間がこの意味が分からないのか」

「つまり……社長が私に恋愛感情を抱いたらこの契約は終わり?」

「そういうことだ。もし俺を君に惚れさせることができたら、その時点で契約は解消してもいい」

 私は呆然とした。いや、待って。それってつまり――。

「その場合、屋敷は……?」
「君のものだ。君の好きにすればいい」

 私は完全に固まった。
 その条件があれば、この契約は私にかなり有利なのでは?

「まだ悩む必要があるか。この程度の話を決められないようで、よく何でもする覚悟があると言ったものだ」

 この程度って、結婚するんだから悩むだろう。だけど――。
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