屋敷を守るための契約結婚だったのに、気づけば冷徹社長に囲い込まれていました

「なにあれ……」

 角倉先輩が目を丸くする。

「もしかして二人そろって左遷?」
「まさか……」
「でも総務に入ってくるなんて初めてじゃないかな。この前を通るのは何度か見た記憶あるけど……中に入ってきたのは初めてよ」

 そう言いながら角倉先輩は声を潜めた。

「時々社員がちゃんと働いてるか見に来てるって噂があるのよ。くわばらくわばら」

 角倉先輩はそう言いながらも、他の社員同様、ふたりの行方が気になって仕方ないようだった。
 その後しばらくして社長が帰ったのだが、会議室から出てきた部長と課長の様子を見た私は思わず目を瞬かせた。

 二人とも汗だくだったのである。
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