屋敷を守るための契約結婚だったのに、気づけば冷徹社長に囲い込まれていました
「……朝霧社長のバカ。考えてみれば総務に来る必要あった?」
帰宅途中、私は駅から屋敷までの道を歩きながら、ぶつぶつ文句を言っていた。
時間が経つにつれ、今日の件はそもそもメールで済んだよね、というか手続きだってこっそり私が処理できたよね、という疑問が胸を占めてきていた。
直接言われたものだから、部長も課長も恐縮して仕方なかった。さらに今日はいつもの雑用すら、全然頼んでこなかったのだ。
それはそうだ。あの朝霧社長の妻、という人間に誰が仕事を気軽に頼めるだろう。
それくらいきっと社長だって想像ついたはずなのに。
私は怒りを燃やしながら屋敷へ戻った。
しかし。