屋敷を守るための契約結婚だったのに、気づけば冷徹社長に囲い込まれていました
そう思った瞬間、負けず嫌いな自分が顔を出した。大人になって落ち着いていたが、昔は結構負けず嫌いだったのだ。
「なによ、それ」
私は鞄の持ち手をきゅっと握り締めながら、小さく唇を尖らせる。
私が本気になったらどうなるか、少しくらい思い知ればいいのだ。
「絶対に好きにならせてやるんだから。それで社長との契約結婚も早く終わらせてやる」
誰に聞かせるわけでもなく呟いた声は思った以上に力強かった。