屋敷を守るための契約結婚だったのに、気づけば冷徹社長に囲い込まれていました

 それから三十分後――私たちは屋敷へ戻っていた。
 玄関へ入るなり、社長が私を見る。

「デートじゃなかったのか」
「デートでしたよ」

「途中で帰ってきたぞ」
「帰ってきましたね。でも、家でもデートはできますから」

 私が森本くんに頼んだのは、予約していたレストランに誰かと行ってもらえないかというお願いだった。費用はもつと豪語すると、彼は快諾してくれた。

 私は社長を連れて庭へ向かう。
 秋の柔らかな風が吹いていた。パラソルの下にはテーブルと椅子。

 ここなら気持ちいい。
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